1990年代、物流システムの高度化を目指す

物流機能の再編成

商社にとって物流機能の充実は必然です。一方1990年代からは、ローコスト化の要求が次第に高まっていきました。

そんな中、当時の弊社が行った再編成策は以下のとおりです。

・物流拠点の集約化
・自動機器導入による省力化
・作業効率・物流管理制度の向上

具体的には、次のような施策がとられました。

物流拠点を主に3拠点に集約

物流拠点の集約化のために、以下の3拠点への集約を行いました。

【東日本地区】
千葉配送センターを閉鎖し、1988年(昭和63年)茨城県結城市に開設された「結城配送センター」を拡充。

【西日本地区】
滋賀県蒲生郡の「日野物流センター」の第2期増築工事を、1995年(平成7年)6月に着工。
1階1,029坪(3,396㎡)、2階301坪(994㎡)、延べ1,330坪(4,390㎡)の、既存建物に匹敵する規模の建物が完成。1996年(平成8年)2月に稼働。

◆特徴:当社初の自動ローラーによる方面別仕分け設備の導入

【九州地区】
1993年(平成5年)、新たに福岡県糟屋郡に「福岡配送センター」を開設。

和気産業 福岡配送センター
福岡配送センター

260坪(約858㎡)。
既設の粕屋配送センターが手狭になったことに伴う開設でした。
※1998年(平成10年)に移転し、現在は「福岡事業所」となっています。

入出荷機械検品システムの導入

取引先各社の独自のコンピューターシステム開発をうけ、弊社も1994年(平成6年)10月に
UNIXサーバー機U6000-100を大阪店にテスト導入します。
当時はパッケージソフトを使用していましたが、作業量が予測を上回り、軌道にのせることができませんでした。

POS(販売時点情報管理)の導入は一般化し、JANコードなどによる機械での検品が実施されるようになったのは、この頃です。

1996年(平成8年)1月、UNIXサーバー機U6000-100を戸田配送センター(※)に移設。同年2月にはプログラムを自社開発し、U6000-550を物流管理センターに導入します。

この機械検品システムの導入に伴い、従来のピッキングリストによる品出し(出庫)を廃止し、新たにハンディターミナル(H/T)による品出方式に変更しました。

和気産業 ハンディターミナルで品出しをしている画像

※戸田配送センター
埼玉県戸田市に、東京店の業容拡大による倉庫狭隘化を解消するために開設。東日本地区の物流再編までの経過措置との位置づけ。

まとめ

現在も物流の拠点となっている「日野物流センター」は、増築と新設備の導入により、作業の合理化・効率化はもちろん、作業精度が格段に向上しました。

また、「福岡配送センター」の開設により、当時急速に売上を伸ばしていた福岡県の大手得意先4社への出荷の移行を行いました。同店取扱量の45%にあたる出荷を集約できたことになります。

1990年代は、このように物流の高度化を目指した時代だったのです。

※弊社社史「和気産業80年の歩み」P80~83より抜粋